白炭
黒炭
木炭は、大きく分けて「白炭(しろずみ)」と「黒炭(くろずみ)」に分けられます。この「白炭」と「黒炭」の大きな違いは、炭を焼く時の窯の温度と焼き方にあり、当然炭の性質も違ってきます。炭は、窯の中で蒸し焼きにされ、窯の中で原木の炭化が進みます。炭化が終わったところで窯口をふさぎ、窯が冷えてから炭を取り出すと、炭には火がついていないので真っ黒です。この状態の炭が「黒炭」です。一方、炭化が終わったところで窯口を全開して空気を入れると、炭は赤熱化し黄金色に透き通ります(※ねらし)。これを窯の外に素早くかき出し、消し粉(水を加えて湿気を持たせた木の灰)をかけて消化冷却します。灰をかぶった炭の表面は灰白色となることから「白炭」とよばれています。黒炭は世界中の国々で焼かれている木炭ですが、白炭を焼く技術を持っているのは、現在でも中国や朝鮮
半島の一部、そして日本だけです。白炭を焼く技術は非常に難しく、古代中国から伝えられたとされています。
当社取り扱いの炭の内の中国産のものは、中国の炭を焼く技術を、日本の法人が厳しい基準の品質管理を行い製品化されたものです。(※ねらし:(精錬技術)窯口を徐々にあけて空気を送り込み、窯のなかで炭化された炭を真っ赤に燃えさせて、さらに炭化をかけるこ
と。この工程によりバラつきを押さえ品質を向上させます。)
「白炭」の中で高級品としてや土佐備長炭などが有名です。備長炭は、樫の木を材料に作られている堅い良質の白炭のことです。
丸炭
割炭
一言に備長炭といっても丸炭と割炭があり、使用目的によって使い分けをすると便利です。
丸炭は形が整っていて見栄えも良く比較的安全性が高いため、人前での調理ではすばらしい演出が出来るでしょう。また、自然の風合いを活かした形ですからインテリアやエクステリアの使用に対しても美しい風情を楽しむ事が出来ます。
形や太さの規格を揃えてあるので希少性が高く、多少コストが上がりますが、演出効果には充分期待できます。
割炭は、なんと言ってもコストが安いというのが大きな利点です。割炭といってもサイズが規格別に揃えてありますので、様々な目的に沿ったご使用が可能でしょう。備長炭としての性能も劣ることなく、充分に威力を発揮します。炭を大量に消費する飲食店や建築
会社にとっては打って付けの素材になるでしょう。
うなぎ・焼き鳥・魚・肉などの焼き物料理には欠かせない燃料として、料理人は備長炭を好んで愛用します。ガスなどを使用し調理した場合、火を強くすると表面だけが焦げて内部は生になりやすく、火を弱くするとうま味や水分が出てしまい堅くなり易いという現象があ
ります。それに比べ備長炭で焼くと、なぜ美味しく焼き上がるのか?というのには訳があります。
備長炭独特のソフトな炎と、まろやかな温度がタンパク質の分解を防ぎ、食材を美味しくするためのアミノ酸を形成します。炭自体が発熱して燃えるため、遠赤外線が非常に多く発生し、食欲を誘う旨み成分グルタミン酸を増加させます。遠赤外線は食材の内部に熱が届きやすく、食材を強い火で焼いても表面が焦げにくく短時間で焼け、食材のうま味や水分を逃がさず美味しく柔らかく焼く事が出来るのです。さらに、他の炭に比べて炎が出にくいので黒こげになりにくく、風味が損なわれたり苦味が出るようなことが殆どありません。
又、備長炭に含まる2~3%の灰分の働きも重要で、カリウム塩類が40%、カリ塩類が20%も含まれていてアルカリ成分がきわめて高く、これが料理に付着することで脂肪酸を中和し、うまみを守ります。これらの理由で、「ふっくらと美味しく」を簡単に実現する事が出来るのです。
それに加え、熱量が多い上に火もちもよく、うちわ1本で火加減の微妙な調整も思うがままにできるのも備長炭の特徴です。
おが炭
おが炭とは、おが屑・のこ屑と言われる粉状木材を再利用したもので、これを圧縮成型し炭化させた炭です。おが炭は着火に時間(20分以上)がかかりますが、燃焼時間は長く2時間から3時間位燃え続けます。もちろん消し炭として残ります。備長炭との違いは炎が出る事です。その為焼き上がりに違いがでます。パチパチ跳ねること(爆跳)がないので、表面をあぶる焼き方(焼肉など)に向いています。形が同じなので全部同じと思いがちですが、日本製・中国製・インドネシア製など原産国に加えメーカーによっても製法が違う為、種類も多く性質も様々です。温度が低い・灰が多い・灰が黒い・時間がもたないとお思いの時は、低価格でご利用できますので色々試してみて下さい。焼肉店様、焼き鳥店様等、炭火焼料理を提供する店舗では、日々消費する炭にかかるコストというものは意外に大きいものです。当店ではお求めやすい価格で、すでに多くの飲食店様にご利用いただいております。業務用の高品質なおが炭をぜひ貴店の燃料コスト低減にお役立て下さい。
炭は非常に便利な天然素材ですが、使い方を誤ると、怪我の元や命を脅かす危険性があります。 ご使用注意事項を守り、正しく使いましょう。
※注意
・炭の燃焼中に出す、排出ガスの55%は一酸化炭素です。ですから十分な換気を行い風通しの良い所でご使用下さい。
・室内でのご使用時は、酸欠になる危険性があるという事を十分認識し、注意してご使用下さい。
・炭を燃やして使用するにあたり、高温になり大変危険ですので、火傷・火災に注意して下さい。
・燃焼中の炭は大変危険ですので、子供の火遊びには十分注意して下さい。
・周囲に燃焼する物のない安全な場所でご使用下さい。
・燃えやすい衣服を近付けないで下さい。(衣服の繊維では一瞬に燃え広がる素材もあります。)
・近くに消火用の水バケツをご用意することをお奨めいたします。
・使用後は、消火が完全にお済みかどうか確認出来るまでその場を離れないで下さい。
(消えているように見えることがありますので注意して下さい。)
・炭を取り扱う際は、汚れても良い衣服を着用して行うことをお奨めいたします。
炭が燃えている時、跳ねる(パーンと破裂する、パチパチと跳ねる)ことがあります。それは炭の性質で、爆跳と呼ばれています。
炭の材料に適している木の樹齢は、20年から30年といわれています。樹齢が30年以上経った辺りから木の芯に爆跳の原因が出来るそうです。それを防ぐために、原木を縦割りにして焼きます。
もう一つの原因として、炭の保管方法にも注意しなければなりません。炭自体の性質として呼吸し、湿気を吸ったり吐いたりしています。ですから、湿気のある場所に長時間置いておくと、本来の活力が無くなって吸ったままの状態となり、その上湿気と空気が交互に入り、養分の入った穴が徐々に詰まってしまうのです。その炭を火で暖めると、中の空気が膨張して爆跳(パーンと破裂)を起こします。
又、線香花火のようにパチパチと跳ねる現象の原因は、炭を焼く最後の工程「ねらし」の段階で、「ねらし」が充分でない時に起こるものです。「ねらし」が充分でないと炭に樹皮が残ってしまい、火をつけた時この皮が焼け、パチパチと跳ねます。炭の表面がデコボコでザラザラしている物が、付着して残っている皮だと思われます。爆跳の対策として着火の際は急激に加熱せず、継ぎ足す時は火元の近くで充分に暖めてから継ぎ足して下さい。
爆跳の際、火花が飛んだり、弾け飛ぶ事がありますので顔や衣類を近づけず、紙やプラスチックなどの可燃物は火から離して下さい。
炭を購入の際は、一度にたくさん買わず、その都度買うことをおすすめします。残ってしまった炭はなるべく早めに使うか、湿気の少ないところに保管し、次に使う前に、外で干してから使われると爆跳も少なくなるかと思います。その他にも爆跳の理由はありますが、炭は天然素材です。どうにも自然を相手にしていることなので、爆跳をなくすことは無理なのかもしれません。
・焼き鳥屋さん等、カウンターの中でお客様の目の前で焼かれる場合は耐熱ガラスで出来れば三方、下から上まで覆うことをおすすめします。
・焼き肉屋さん等、テーブルの上で炭を使われる時は絶対に跳ねても良い場所で火を完全に点けてから使って下さい。炭追加時も火の点いた炭を足して下さい。
・ガスで着火するときは、弱火でゆっくり火をつけて下さい。
・追加する炭は火のそばに置き、温めて水分をぬいて下さい。
・強く燃えている炭の上に置かずに、横に置きゆっくりと火をつけて下さい。
・臭いを吸うことがあるので、保管場所は臭いや湿気のない場所をおすすめします。